それを恋と呼ぶのなら。(『悪友』に救われた女の話)

私は昔から、 「キャリアウーマン」に憧れていた。

「カッコイイ女性」になりたかった。

 

 

月日は流れ、幼い頃になりたかった、教師・編集者の職に、規模こそ、希望こそ違えど、就くことが出来た。

キャリアウーマンというタイプにも、カッコイイ女性にもなれなかったけれども、仕事は楽しい。

その点ではとても良かったけれども、いかんせん入社した会社がそう大きくない会社なので、想像以上に収入が少なすぎた。

(がしかし、仕事は楽しいし、同僚も良い人ばかりで、収入以外は良いから、転職ももう少し先で良いかと思っている…)

 

収入の少なさに加えて、オタ活が楽しすぎて割とライトに色々な沼に出没し、恥ずかしながら、25歳で『貯金額 3万』である。

後は資産といえば、一生独身だろうと入った個人年金の積立くらい。友達はすでに200万くらい貯めていて、こんなんでいいのだろうかと、モヤモヤしていた。

 

 

また、仕事と共に語られがちな恋愛については私は超絶苦手分野である。私は、私の人生において 恋愛は不要なものだと思ってたし、私の人生には無駄なものだと思っていた。もちろん、相手がいない歴=年齢(25)である。

 

弟には、『中学生の恋愛はお遊び』『高校の恋愛はマウンティング』『大学の恋愛は欲望だけや』とその段階がくるごとに何かしら言ってたけど、その実、弟はその段階ごとに確実に彼女いたし現在もいるのだけれども、最近は私が何か言うたび、生暖かい目を注いでいるという現状もあったりする。

 

そんな中、友達は順調に交際歴を重ねたり、新しい人と付き合い始めたり、はたまた結婚する子も出てきた。

 

『恋愛は不要、結婚は無用』と決めていたけれども、40歳ごろ不安になりそうだというのと、 大嫌いな自分と向き合ってみて、自己を振り返り、一度恋愛沼にハマってみて、それで決めてみようという好奇心から、25歳にして、『恋活』を始めてみることにした。

 

でも実は、『恋活』を始めようと思ったきっかけの最大の起因となっているものが、かつて私にはなかった『美容』への興味です。

私は人より太っている(150センチ・現在54キロ)のとブスなのを免罪符にして、恋愛するのを、綺麗にしたいと思うのを、惨めな自分を誰かに晒すのを拒んでいました。

 

太っているからオシャレできない、恋愛できないのは仕方ないと、周りに納得させるような。 実際痩せたところで、この卑屈な性格じゃ出来ないの分かっていたから、恋愛というフィールドで戦うことから、逃げた。 肯定/否定の天秤で、評価されることから逃げたんです。 『悪友 vol.2 恋愛』のアンケートで、恋人を作らない理由で、「私を好きになる人を好きになれない。そもそも私を好きにならない」というような趣旨のものを書いたのは私の記憶に間違いがなければ私です。(笑)

 

 

まぁ、そうしているうちに、周りの時計はどんどん進んでいったわけでして。自分の時計は止まったままだったのに。 モヤモヤとそんなことを考えていた中で、美容への興味を向けさせたのも、『他人の目』だった。

非常にショックな出来事があって。

 

私は、太っていたけれど、流石に妊婦に間違えられることはなかった。

それなのに、今年の6月ごろ、妊婦に間違えられた経験したのだった。それも2回も。

電車で、立っていたら席を譲られたのです。 1回めは優しそうな可愛い女子高生、2回めは爽やかなわりとイケメンな若手男性会社員。2回ともゆるいワンピース着てたし、ヒールほぼ無かったし、恐らく、そうや……。善意が辛くて……。

『ありがとうございます』と笑顔で座ったよね。顔で笑って、心で泣いて。

 

それで体重測ってみたら、あらビックリ‼︎ 150センチで、59キロくらいあったの。 人生で最高に重かった。 これはやばいとダイエットしだした。

 

ダイエットしようと色々美容関係のもの見ていったら、色々と知識が入って、この服かわいいな…このネイルしてみたいな…化粧で誤魔化せるかな…とか色々考えるようになって。 そしたら、少しずつ痩せていって。 今、リバウンド気味ではあるのだけれども、頑張ったら頑張った分だけ結果が出て、『美容沼、意外と面白いかも…❔』と、思うようになった。

 

カチューシャをつけたら笑われて以来、アクセサリーに抵抗があったけれど、自分が『可愛い』と思えるものを身につけるのにもそこまで抵抗が無くなった。 ほんの少しだけ自分が好きになれた気がして、それで一度くらい恋愛してみようかなという気になったのだった。自分に不要か否か実践して見極めてからでも遅くないと思ったのだった。

 

 

そもそも、私は恋愛を毛嫌いしてきたわけでない。私は、恋愛において、自分自身は苦手分野だったけれども、私は『恋している女の子』は好きだったし、友達のノロケ話を聞くのも好きだし、恋愛漫画も好きだった。恋愛はしたい人がすれば良いし、しなくたって良いと思っていた。

 

だけれども、世の中では「恋愛」や「美容」に全く興味のない子、はたまた全力な子をどこか馬鹿にする風潮があって、私はそれはなんか違うなと思ってたし、別にそれが優先順位が高くても低くても良いじゃないかと思ってたのだけれども、それがうまく言語化できなくてモヤモヤしていたところに、

 

『悪友』で【恋愛沼】いうワードを見て、それや‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎と思った。

 

一つのオタク、一つの沼だと思えば途端に苦手意識も半減する。

『女子力』と揶揄されるような媚びも、恋愛オタだと思えば、重要な基礎知識の可能性だってあるし、推しに少しでも良く見られたいという気持ちも分かる。(まぁ、最も私はリア恋系オタじゃないし、自担と恋愛するくらいだったら爆発しますっていうくらい自担のプロの時が好きです。プライベートは、プロの時の彼等に迷惑のかからない行動をしてよね、と思ってます。)

 

楽しいから恋愛するのに、それが馬鹿にされたら辛いよね、って思った。 これは美容に関してもだけど。必死そうとか、思っててすみませんでした、単純に好きな人も多いよね、コスメ可愛いし、やればやっただけ成果も出るし。

すっぴんにリップか、BBクリームしてファンデつけて、リップだけとかそういう感じな人間だったもので。

そういうことをやってこなかった私は、25歳にして、

コテもアイロンもあるのにも関わらず、上手く使いこなせていません、ええ。

 

で、まぁ、恋愛しようと思ったは良いものの、これまでしてこなかったわけですから、そうそう出会いがあるわけはありません。

友達に頼むのは、私が合コンに来たら、その友達の株を下げるのと、男性側の落胆を想像したら行けません。 というわけでどうしようかなと思っていたところに、行きたいなと思っていた、読書会を主催しているところが、読書合コンをするとあって、これだ‼︎と思って申し込み。

4対4の合コンだったのだけれども、

①自分の好きな本を1冊紹介

②各相手と15分程度話す

③第2希望まで書いて(書かなくても可)マッチング

という手順でした。好きな本を紹介するところは、質問も可能で、わりと和気藹々としていました。私は純粋に全ての本に興味があったので、男女問わず1問は何か聞こうと思って、1冊以外は全て質問したはず…。

そして、各相手と話す時間。そこまで好みでない人には、どこそこのアイドルが可愛いぞ…という話とか、本当私みたいなん、みたいな話できた。あまりにも自分がが1番読みたいと思った本をプレゼンしてくれた男性にはドルオタなことも、そういう自分のコンプレックスも開示できなくて、いいなと思った人には良いところ見せたいんだ、と思う自分がいることに驚いた。

 

我ながら凄くメンドくさい人間だなと思うのだけれども、

第1希望に、私のことを絶対書かないだろう人

第2希望に、私が1番いいなと思った人

を書いた。

 

マッチングしなくても、第2希望だったし…と言い訳するための逃げ道を用意しておいた。 そしたら、意外なことにマッチング。

マスターにも、『自信持って』と励まされた。 でも、第2希望同士なんてこともあるだろうし…と思いながら、終わった後、 話していたら、

『アメトーク』の読書芸人、『ご本、出しときますね❔』『わがままな本棚』という本紹介番組の話で盛り上がって、それで盛り上がれる人、まわりに殆ど居なかったら、嬉しくて。 連絡先交換して、終了。

 

1度あってご飯食べて、また、楽しくて。

2度目あってボーリングしてご飯食べて、また 楽しくて。

3度目約束したら、骨折したと言われて、あぁこれフェイドアウトの嘘のパターンなのかな…と思ってたけれども、どうやら本当のようで(恋愛慣れして居ない故暗黙のルールが分からない)、10月に予定が入った。

 

この好意が『恋』なのかは分からないけれども、たとえこの好意が恋でなくても、友達として仲良くしたいな、と思える人だな、って今の所思っている。〇〇(名前)さんって呼んでくれるところも、色々否定しないところも、秋めいてきたという話で、私が『秋来ぬと〜おどろかれぬる』という心持ちですよね、って返したら、秋の歌だと西行の『心なき〜秋の夕暮れ』が好きですと返してくれるところも、本当良いなぁって思っている。

ちなみに、アイドルオタなのはもう話した。

わりと私の会話それがないときつい(笑)

お姉さんがKinKi Kids堂本剛さんのファンなようで、よく聴いてたわ〜と。

剛さんありがとう‼︎←

 

 

読書会の人に感じた気持ちは、「恋」なのか検証しようと、街コンにも1人参加してみた。1人参加なのは友達が少ないのもあるのだけれど、友達に気を使うのが嫌だったから。友達だけカップリングとかたら、気まずいじゃないですか。

 

20代限定街コンに参加してみて、女性が6名 男性が9名くらいだったと思うのだけれども、25歳の私が女性最年長で、男性も27歳が最年長だったので場所の都合もあるけれど、もうそんなに「若い」わけではないのだな…と何だかしみじみした。

 

カップリングは特に名前を書いてださなかったのだけれども(大概がノリが若すぎて私には無理だった)、一軍女子争奪を脱退した男の人2人が気を使って「気になるカード」に電話番号を書いたものをくれたので、一方的に連絡先を知るも悪いと思って、連絡を取ってみた。 連絡カードに誤字があった人にはそれを指摘したメールを送ったけども返信がなかった(笑)

だけれども、1人の方とは呑もうとなって。「呑もう」って書き方が軽いな~、あぁこの人そういうタイプかな~と思いながら、話は楽しかったので、恋愛検証してみようと会うことに。

そしたら、相づちが上手い、服装を「可愛い」と褒める、ネイルを「可愛い」と褒める、彼氏について聞く(いない歴=年齢な人ですので、普段なら『「今は」いない』という嘘でもないこれ以上聞くなという無言の圧力・魔法の言葉を使うのだけれども、それが利かずグイグイ聞かれるので、1年付き合った3年前の同い年の寡黙な彼氏を創造した。つら。)、ご飯をさっと奢る……、あぁこれ慣れてるな~、この後来そうだな~、いやいや私みたいなデブスはないやろうと思ってたら、普通に誘われてビックリしましたよね、ええ。

 

ただ、まぁ私、普通に断ったんですけれども、悔しいかな、ちょっと嬉しかったんですよね、ええ。ある人にとっての『誰でもいい』の『誰でも』に入れる人種なんだと。 その後『変な誘い方してごめん、いい人だったし、魅力的だったから誘った』みたいな連絡がきて、いやいや、1度会ったくらいで何分かんねんっていうのと同時に、言われたことのないお世辞な『魅力的』という文字に、これまた悔しいことにときめいてしまったのも事実で。まぁ、正直、顔がそこそこ好みだったのと、関西弁に萌えたって言うのもあるけどな‼︎‼︎‼︎‼︎

 

このまま恋愛探ししていると、軽い男にそのまま惹かれてしまいそうだな……。自己肯定感が低い人が、軽いノリの人に惹かれる理由が分かったような気がするとも思ったりもしました。(盛大なブーメラン)

耳触りの良い言葉を言われてこなかったが故の拗らせがすごい………。

(まぁでも、そういうことをするのに、わりと誰でもいい男性は少なからずいるのかなと思った経験があって。 2.3年前に、『誰でもいい』の範疇に入ったことがあったなということを思い出した。 男子高校生にカラオケ屋の道を聞かれ、説明しても中々行かないから、どうしたんだろうと思ったら、『ムラムラするんですよね』って話されて、いやいや…何言ってるんだ君は、自分大切にしいや~、誰でもいいはあかんで~~って思った。その時は別に嬉しいも何もなくて、不可解と嫌悪だったけれど。)

 

 

まぁでも、色々ありますが、今、ちょっと楽しいです。色んな人にあって、色んな価値観を見てみたいです。 大好きな沼も円熟してきて、正直、新しい刺激に欠けるなって思っていたところの、趣味です。 オタクごとで外出て、恋愛沼ごとで外出て、レコーダーに未視聴が溜まるのも、当然のようにあり得ない幸せのチケット落選したのも、今は横に置いておきます。 とりあえず、この沼が合うかどうか、一度思いきり楽しんでみたいと思います。

 

恋愛沼に入るにあたり、私の恋愛スタンスを決めました。

スタンスは、 【愛されるよりも愛したい真剣で】です。

 

私の大嫌いな小説家・朝井リョウさん(どれくらい嫌いかっていうと、将来サイン会に行って、『私は朝井リョウさんが嫌いです。これからもずっとずっと嫌いでいさせてください。憎いと思わせてください』と言いたいほど嫌いです。)が、

オードリーのラジオの朝井リョウゲスト回で、流れで朝井さんがエロティシズムを言語化を試みたという話になり、

結局エロティシズムとは「アンコントロールなもの」だという所に帰着したという話をしていて、とても合点がいったのですよ。

自分はある程度コントロールできても、他人の思考はコントロール下にはないから、自己の中で論理立てて証明できないところにそこにエロティシズムが生じるのではないかということだったんですけども。 また、今の人は性的なものも、コントロール下(自分で精度の高い自己の好みに合ったものを取捨選択して欲求を満たすことができる。)にあって、アンコントロールなものに対する免疫が薄いとも分析していて、それを聞いて私は草食男子と呼ばれる人の増加は、欲求の減少というよりむしろ、欲求の内在化というところなのかなとも改めて考えたりもしたりもした。

 

で、結局、何が言いたいかと言うと、要は『自分の都合で恋愛したい』ということです。(笑) 楽しい恋愛にするために、自分の気持ちに素直に、能動的に恋愛してみようと思います。 飽きたり、合わないことがわかったら、今の生活を見直し、老後に向けた計画をきちんと立てます。ジャニオタは強いぞ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎(笑)

 

あ、あと、貯金はどちらにせよ、頑張ります‼︎

 

こう、つらつら書き連ねたけれども、何でこんな私のつまらない恋愛観なんかを書いたかというと、『悪友』を読んで、本当に、救われたからです。浪費編は楽しく、美意識編は妬ましさと羨ましさを持って読んだんだけど、恋愛編、本当刺さった、刺さった。 私と同じ高齢処女のお話とか、正直理解できない恋愛の話とか、大倉くんと旦那さんが自担な理想的な恋愛とか、興味深い恋愛観とか、座談会の最高なリズム感とか、リアルなアンケートとか、余すところなく面白かった。 普段聞かないし聞けない話ばかりで。こう生きても良いんだよと、肯定してもらった気になった。

 

敬愛するブロガー・あややさんを拝見していく中で、存じ上げることとなった劇団雌猫様方の『悪友』を読んで、救われた女がいるよ、そして、私の話も誰か1人でも、読んで笑い種にでも良いから、読んで救われたら良いなと思って書きました。

デブでブサイクでも、案外恋愛は楽しめるぞ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

 

…嘘です。完全なる自己満足です。 でも本当に救われて、この気持ちを書き記しておきたくて書きました。この気持ち・熱こそが、 『恋』と呼べるものなのかもしれません。

 

素敵な本をありがとうございました。 劇団雌猫の皆々様のさらなるご活躍、楽しみにしております。 ご自愛くださいませ。